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家庭でできる。楽しく学ぶひらがなの方法~かなづかい①~「を・は・へ」助詞

2020/09/05

はじめに

かなづかいの学びは、狭義での文法教育の第一歩です。

しかし、固定的な「文法」が先にあって、それに沿って言語活動が行われているのではない、ということを大切にして教えていってほしいと思います。

言語活動が先にあり、その言語を説明するために、それらの法則性を見い出したのが文法です。

いったん確立された文法は、それなりに言語活動を規定します。

わたしたちが、ある言い方を、正しいとか正しくないとか判断するのは、規範的な文法を持っているからです。

しかし、それはあくまでも相対的なものです。

言語現象がすっかり変わってしまえば、文法だとて変わらざるをえません。

このことがよくわかるのは、「見れる、食べれる」という言い方でしょう。

これは、今の文法で判断すると、誤っています。

しかし、ほとんどの人がこの言い方をしています。

ことばは進化していきますので、それを無視して固定的に文法を考えていたのではいけないと思うのです。

うごきことば(動詞)、なまえことば(名詞)

助詞「を・は・へ」を学ぶまえに用言と体言を学びます。

まずは、ひらがな入門編②でやりました、五十音のふりかえりをします。

「を」は、この段階では教えなくてもいいです。

縦にも、横にも言えるようになりたいです。

そしてレオ・レオニの『あいうえおのき』を読み聞かせた後で、ことばづくりをします。

清音、濁音のひらがなを自由に組み合わせて、単語をつくります。(ノートに書いてもいいですし、文字カードを並べてもいいです。)

つくった単語は用言と体言を学んだ後に区別をさせますので、残しておきましょう。

分かりやすく、用言は動詞で、体言は名詞で代表させて学びます。

①語彙的意味による区別

「かお」や「あめ」は、これだと指でさすことができる、ものの名前(名詞)だ。

「あるく」や「はしる」は、体を動かさなければならない、動きを表すことば(動詞)だ。

ということをおさえます。

実際に体を動かしたりさせると、よくわかるでしょう。

②文法的な形態による区別

「あるく」→「あるかない」、「あるけ」

というように「しない形」「命令の形」に変わっていく。「はしる」も同じ。

ところが「かお」や「あめ」のしない形、命令の形は、ない。

ということを次におさえます。

「かお」「あめ」→『もののなまえ。かたちがかわらない。』【なまえことば】

「あるく」「はしる」→『もののうごき。かたちがかわる。』【うごきことば】

と、まとめます。

なまえことばとうごきことばに好きな色を二色えらんで色分けします。

付け足しで、過去形にする区別の仕方もやってもよいでしょう。

子どもには「きのうの形」という言い方をすると伝わりやすいです。

「よむ」→「よんだ」

「ほん」→「?」

「すわる」→「すわった」

「いす」→「?」

ほんや、いすにはきのうの形もきょうの形もありません。

意味からと形態からとで、動詞・名詞の分類ができるようになったでしょうか。

子ども自身が作った単語はほとんどが名詞になるでしょうから、いろいろな単語をつくってあげて、ためします。

(おきる、はな、みる、いぬ、たべる、ねる、はな、など)

分からないのがあれば、「命令の形、できる?」「きのうの形、できる?」などと聞いてみましょう。

まれに「きれい」「あまい」など形容詞をつくる子もいますので、形が変わることばの仲間、ぐらいの説明にしておいてください。

「を」「は」「へ」

次に「を・は・へ」の使い方を教えていきます。

「を・は・へ」の助詞は、先ほど練習した名詞に代表させた体言に付きます。

「を」は、「お」と同じ音です。

つまり、「オ」の音を表すのに「お」と「を」という二通りの表記法があるということになります。

より複雑なのが、「は・へ」です。

「は」は「ハ」の音と、「ワ」の音を担うことになります。

また、「ワ」の音を表すのに「は」と「わ」の二つのひらがながあることになります。

「へ」も同様です。

子どもにとっては、これはずいぶんむずかしいことだと思います。

今までのように、一つの音に一つのひらがなが対応すると言えなくなるのですから。

「が」と「を」

これを楽しくなるように絵本を使って学んでいきます。

動画でも公開されている、『さる・るるる』(五味太郎・絵本館)です。

これをもっとくわしい話にしようといって、穴埋めの文をノートに書いてあげます。

さる□ □□ ける→さるが きお ける

さる□ □□□□ とる→さるが りんごお とる

さる□ □□□□ うる→さるが りんごお うる

と入ります。(ここではまだ「お」でもいいです。)

なまえことばと、うごきことばの色分けもさせておいて下さい。

そして、のこった「が」と「お」について気づいたことを書かせます。

どんなことに気づくでしょうか。

「なまえことばでもうごきことばでもない。」

「なまえことばにくっつく。」

など、これ以外にもまちがいでなければ、みとめてあげましょう。

そして、「が」と「お」をいれかえると、、、

さるお きが ける??

さるお りんごが とる??

どんなことをあらわす文なのか絵にかかせてみて下さい。

ここで「を」の説明をします。

「お」→「を」

・なまえことばにくっつく。

・くっつくことばをかえると、ぶんのいみがかわる。

「を」の書き順を示して、書く練習をします。

名詞に付くといっても、いわゆる接頭辞とはちがうということを次におしえます。

「かあさん」

うえにくっつくと、

□かあさん→おかあさん

□かあさん□ よぶ。→おかあさんを よぶ。

頭の上につく、ぼうしの「お」、下につくネックレスの「を」という言い方をしてもいいですね。

他にも

おかねをもらう。

かおをあらう。

えほんをよむ。

などです。

たいくつしないよう「ひらがな」の学習でやったように名前ことば、うごきことばに色ぬりをするとよいでしょう。

「は」


絵本「大きなかぶ」を使って、「は」の説明をします。

「を」と同じ働きをしている時は、「は」と書きます。

・なまえことばの したに くっつく。

・くっつくことばを かえると ぶんの いみが かわる。

このことを分からせるために、絵本から次の文を使います。

おばーさんわ まごを よんできました。

これも、名前ことばとうごきことばのぬりわけをします。

そして、「わ」と「を」の入れ替えで文の意味が変わってしまうことを確かめることが必要です。

おばーさんを まごわ よんできました。

他にも「を」の使い方が面白い文がたくさんでてきますね。

次に、書く練習です。

口頭で「わしは そらを とぶ」と言い、ノートに書いてもらいます。

ここで、お→を、わ→は、と書くことをします。

そのほかにも

「ねこは みるくを のむ」

「わには かわを わたる」

「わたしは はたを つくる」

「はたは そらに あがる」

などをそれぞれのイラストを見せながら読んであげて、書く練習をするといいでしょう。

1回で定着するなんてありえないですから、いろんな場でくりかえし習熟させます。

「へ」

「へ」ですが、単語のなかでは、を・は(ワ)・へ(エ)を使わないという点から説明をします。

「え」の おとにも ふたつの かきかたが あります。

・ことばのなか→「え」 えんぴつ、かえる

・なまえことばの した→「へ」 つきへ いく

そのあと、よむ練習をします。

「ぼくは わすれものを とりに いえへ かえります。」

穴抜きの文章をつくってあげて、書かせてみましょう。

□たし□ □とーさん□ むか□に □き□ いく。

「を・は・へ」のまとめ

・「お」のおと

「ことばのなか」「なまえことばのうえ」→「お」

「なまえことばのした」→「を」

・「わ」のおと

「ことばのなか」→「わ」

「なまえことばのした」→「は」

・「え」のおと

「ことばのなか」→「え」

「なまえことばのした」→「へ」

使い方のまとめをふりかえったら、文のまちがいさがしをやって確認をしていきます。

下の例以外にもいろいろな文をつくってあげましょう。

「まちがいさがし」の例

「はたしの いへの にはにわ いぬが います。

なまへわ たろうです。いはしが すきです。

はたしは まいにち えさお かいに をみせえ いきます。」

助詞「を・は・へ」の次は、かなづかい②「長くのばす音」長音を学びましょう。


家庭でできる。楽しく学ぶひらがなの方法 目次


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書き手プロフィール

塾長 片岡聡子

塾長 片岡  聡子

数学教育協議会会員
幼児からのさんすう専門塾を開講して30年、延べ2,000人近い子どもたちの教育に携わってきました。その経験と実績から『シナプスメソッド』を立ち上げ、子どもたちに提供しています。そして日々子どもたちに寄り添った教材開発を挑戦し続ける毎日です。

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