算数の文章題を解くうえで、小学生がよくやるケアレスミスとして、書き写し間違いがあります。
文章題がまだ簡単な小学生のうちに直しておかないと、中学、高校、大学入試にまで影響していきます。
社会に出てからも、「正しく書き写す」は大切な能力です。特に数字の書き写し間違いは影響が大きいですよね。
どんな人でも完璧な人間はいませんので、常に正しく書き写せるわけではありません。
写し間違えたときに、自分で気づけるようになることが大切です。
「文章題の書き写し間違い」とは
問題
イチローくんのなつやすみは42にちでした。
そのうちの15にちがあめのひでした。
あめがふらなかったのはなんにちでしたか。
間違えた式 42-12=30
考え方はあっていて引き算の式を立てられたのですが、15を書き写し間違えて、12と書いてしまいました。
正しい式 42-15=27
「文章題の書き写し間違い」に自分で気づけるようになるには
①文章を音読する
書き写し間違いをするということは、文章の数字を頭の中で勝手に変えて認識している場合があります。上の文章の場合、15を12だと勘違いして読んでいたことになります。声に出して読んでみると、インプットとアウトプットができて、正しく認識できます。
②書いた式を音読する
文章の数字15を正しく認識していても、書く段階になった時に違う数字12を書いてしまう場合があります。この場合、文章を音読するだけでは間違いに気づきません。自分は15の数字を書いたと思っているからです。書いた式を声に出して読んでみると、違いに気づけます。
③具体物を使う
音読しても気づかない場合、頭の使う場所を少し変えてみます。2次元のプリントを3次元の具体物で考えてみます。すると抽象的だった数字が、具体的なもので実際に手で触れるものになりますので、どんな数の引き算をしたのか、違いがはっきりとわかります。
(写真はタイルを使っています。1このタイルが10こ集まって1ぽんのタイルになります。4ほんと2こで、42です。)
④文章を暗記し、具体物で計算をする
①~③をやっても気づかないということは、ただ読んでいるだけで文章を正しく認識できていないということです。この場合は、文章をまるまる暗記します。暗記することで、頭の中で想像します。そのもやもやっと想像したものを、具体物で実際に用意し、計算をしてみます。そのあと、書いた式とどう違うかを見比べます。
※①~④を子供だけで行うのは難しいでしょう。正しくできているか見守る大人が必要です。しかし、どこが違うか指摘しては自分で気づけるようにはなりません。
「もう1回ゆっくりていねいに読んでみよう」
「文章のとおりに数(具体物)は用意できたかな」
などの声掛けをするにとどめましょう。
自分で気づけたらそれはその子の大きな財産となります。
そんな簡単なミス、、、と思わずに、
「すごい!よく気づけたね。」
と喜んであげてください。
書き写し間違いという単純なケアレスミスほど、気づくことが難しいです。
ほとんどの子は、直しをする際に、計算をもう一度します。
書き写し間違いという簡単なミスをしているとは思っていないからです。
しかし、そこに気づかないと、いくら計算をし直しても正解はでません。
「自分は書き写し間違いをすることもある」
と知ることが、ケアレスミスを無くす第1歩です。
書き手 片岡蘭
数学教育協議会会員
シナプスメソッドの教育で15年学習をし、講師になって5年。新たな教材開発を担当。2018年に販売される『論理パズル』を一手に手掛ける。
幼児からのさんすう×ことば/シナプス
TEL : 052-720-7900
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